保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

骨粗鬆症と動脈硬化の関連

 骨の吸収によりカルシウムやリンの放出が増加すると、血中のリン負荷も増大する。リン放出はパルス状に変化するので血中へのリン負荷の影響は強く、骨代謝回転亢進と死亡率上昇の主因と考えれられている。

 血中のリン増加によって、血管内皮障害が生じ、血管壁の構成細胞である血管平滑筋細胞を骨芽細胞様の形質に脱分化させ、血管壁内に骨に類似した構造を有する石灰化部を形成させる。リンそのものは、NO産生抑制、活性酸素産生促進、炎症惹起作用等を介して、血管内皮細胞障害も起こす。

 閉経後骨粗鬆症患者に対してリセドロネートを投与して、baPWVの進展が抑制されたとの報告がある。