保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

心の健康問題で休業した人への対応で注意すべきこと

・ 管理監督者から職場の人へ知らせる範囲と内容(健康上の問題について伝える、何も言わないなど)の希望を尊重する。 ・職場の人から本人への連絡は必要最低限とし、見舞いなども避ける。・気持ちが沈んでいる休業者が独居の場合、主治医の判断を確認し、…

以下の場合に、百日咳の検査を考慮 (1)百日咳に特徴的な症状を1つでも認める場合 (2)家族や周囲に百日咳の確定症例がいる場合 (3)咳嗽による睡眠障害を自覚している場合 (4)1週間以上の咳 咳出現から2週間は培養:培養法ではマクロライド耐性の有…

ポリオワクチンについて

2型野生株ポリオは根絶され、3価OPVのなかの2型ウイルスの意義がなくなった むしろ2型ポリオ株は有害 流行地においては、2型ポリオの弱毒株を除いた2価OPVを使用 日本のIPVは世界に先駆けてセービン株を採用 日本における問題点は、追加接種が…

高濃度乳房と検診

高濃度乳房が日本人に多いのは、乳腺組織が多いからではなく、脂肪組織が少ないから多いと考えられている。 そもそも高濃度乳房の厳密な定義はなく、おおざっぱなものである。大胸筋の濃度よりも高い陰影を高濃度と判定したり、高濃度乳房か否かで判定に迷っ…

サルコペニアに対する介入

食事については、蛋白摂取が基本である。腎障害があればその限りではない。健常高齢者でも最低でも1.0Kg/Kg/日、サルコペニアの基準を満たす場合には1.2g/Kg/日以上、できれば1.5g/Kg/日を目指す。BCAA、ロイシン強化アミノ酸製剤も有効…

RA患者の呼吸器病変

①RAによる間質性肺病変:UIP, NSIP, DAD, OP ②気道病変:輪状披裂関節炎、気管支拡張症、濾胞性細気管支炎、閉塞性細気管支炎 ③肺内結節病変:リウマチ結節、アミロイドーシス、肺癌、悪性リンパ腫 ④胸膜病変:胸膜炎 ⑤薬剤性:MTX、レフロノミド、生物学…

高齢糖尿病患者の血糖コントロールについて配慮すること

低血糖を防ぎながら、血糖の正常化を目指すことが目標 ただし、高齢者となると逆にどのくらいまで高血糖を許容するかも検討 この際に考慮すること ・HbA1cが8.0%以上では認知症やうつ、転倒・骨折などが多い。 ・HbA1c8.5%以上で肺炎、尿路感染症などの感…

ILAEのてんかん分類(2017年)についての基本的な考え方

あらゆる発作は焦点起始発作(一側大脳半球内に始まる)と全般起始発作(両側半球に分布するネットワークに始まる)に分類される。起始に関して正しいと確信できなければ(確信度80%以上)、焦点不明に分類される。 焦点起始発作は、発作伝播経路によって臨…

寄生虫疾患を疑ったときにおける糞便等の取り扱い

セロファンテープ法はここでは扱わない。 糞便は親指頭大の量を採取 排泄時に寄生虫が認められた場合、アルコール固定(ホルマリンはDNAを破壊)塗沫法を少なくとも3回 ・回虫卵、日本海裂頭条虫卵、アメーバ栄養型、ランブル鞭毛虫栄養型の検出 ・採取…

認知症外来における診方

ChE阻害薬は、ADLを上げる薬剤という認識がよい。施設入所を約2年間遅延。 ADにおける障害の典型例は、遅延再生低下→見当識障害→注意力障害→言語障害。 MMSEを施行し、見当識障害、注意力障害、行動障害(Planning障害、Doing障害)の領域と、問題…

禁煙行動の変容ステージ (ジェームズ・O・プロチャスカ)と支援の方法

無関心期:禁煙する気はまったくない 関心期 :禁煙する気はあるが一か月以内ではない 準備期 :1か月以内に禁煙しようと考えている 実行期 :禁煙して6ヶ月以内 維持期 :禁煙して6ヶ月以上 無関心期 ①禁煙する気がなく医療者の助言に対して抵抗。 問題…

2018年の時点における免疫チェックポイント阻害薬についての問題点、不明な点

2018年の時点における免疫チェックポイント阻害薬についての問題点、不明な点 ①小細胞肺がんは適応外である②一次治療から使用できるものは限られている③免疫疾患のある場合には使用できない④間質性肺炎では副作用で致死的になることもある⑤約半数しか効かな…

Functional dyspepsiaについて

ROMEⅣ基準が世界的に用いられているが、日本ではこの診断まで現実的に経過を見ることが難しい。日本の診断基準では期間については規定がないが1ヶ月以上持続するれば慢性的に見られると判断されるようである。以下RomeⅣ基準から。 6ヶ月以上前から症状があ…

chronic instestinal psudo-obstruction (CIPO)について一般医レベルで覚えておくこと

基本的事項 1.腹部膨満、嘔気・嘔吐、腹痛等で入院するほどの重篤な腸閉塞症状が6か月以上2.画像診断で消化管の拡張と鏡面像3.消化管を閉塞する器質的な病変を認めないシネMRIまたは消化管内圧検査で小腸を中心とする明瞭な運動異常が証明される。シ…

大動脈瘤について知っておくべきこと

最大短径 局所的拡張の長径が正常径の1.5倍を超えたものを大動脈瘤という。 瘤のサイズはCTで測定し最大短径を用いる。 蛇行は、上下方向への拡張を反映している。蛇行を瘤の短径の拡張としてとらない様に注意する。 胸部大動脈 正常範囲3cm以下→大動脈…

健診等で発見された胆嚢ポリープのフォローの仕方

胆嚢ポリープの手術適応は腫瘍性か否かの臨床判断に基づく。 広基性で大きさ10mm以上、充実エコーを呈する胆嚢ポリープを有する患者は、胆嚢摘出術を行うことが勧められる。10mm以下の隆起性病変でも、7.4%が腫瘍性であったことから6mm以上を外科切除の適応…

潰瘍性大腸炎におけるヒトサイトメガロウイルス感染症の診断と治療

ステロイドを含む2剤以上の免疫抑制剤使用に治療抵抗性を示す症例はヒトサイトメガロウイルス(HCMV)感染リスクが高い。 免疫学的検査:約60-70%の正常健康人がキャリアーである。一般に、HCMV再活性化が生じた患者においては、HCMV-IgG…

E型肝炎

E型肝炎ウイルスの遺伝子型 1型:アジア、アフリカ諸国。ヒトのみに感染。 2型:メキシコ、ナイジェリア、ナミビア。ヒトのみに感染。 3型:世界に広く分布。ヒト、豚、イノシシ、シカ、ウサギ等。 4型:日本、中国、台湾、ベトナムなど。ヒト、豚、シカ…

腎血管性高血圧症の検査と診断

診断には、MRアンギオグラフィーにて狭窄が75%以上のものを腎動脈狭窄とするのがよい。MRアンギオは基本的に造影剤は必要がないことがメリットで、狭窄を過剰に表現するデメリットでがあることに留意する。最終診断には、腎動脈造影や造影CTが必要…

鉄利用の制御

体内に20兆個存在する赤血球が含有する鉄は、体内の鉄(3-4g)の約70%を占める。ヘモグロビン産生に使われる鉄のほとんどは、老廃化しマクロファージで処理された赤血球由来の鉄(20-25mg)の再利用である。腸管から吸収される鉄は1-2mgとされる。 …

てんかん診療ガイドライン2018による新規発症てんかんの選択薬

部分発作 第一選択:CBZ、LTG、LEV、ZNS、TPM 第二選択:PHT、VPZ、CLB(クロバザム)、CZP(クロナゼパム)、PB、GBP、 ぺランパネル、ラコサミド 強直間代発作・間代発作 第一選択:VPA 第二選択:LTG、LEV、TPM、ZSM、CLB、PB、PB、PHT、ペランパネル 慎重投…

高血圧治療ガイドライン2019案

血圧区分案:単位mmHg 収縮期血圧 拡張期血圧 正常血圧 <120 かつ <80 正常高値血圧 120-129 かつ <80 高値血圧 130-139 かつ/または 80-89 Ⅰ度高血圧 140-159 かつ/または 90-99 Ⅱ度高血圧 160-179 かつ/または 100-109 Ⅲ度高血圧 ≧180 かつ/または ≧1…

メタボリック症候群と身体活動

厚生労働省e‐ヘルスネットから https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise 参照 減量・内臓脂肪の観点から: 個人にとって多くのエネルギー消費量を確保できる運動であれば、どのような方法でも良い。運動の種類には関係ない。 臨床成績を総…

特定健康診査の判定値

特定健診の判定値としての記載に、保健指導判定値と受診勧奨判定値がある。さらに、文例集があり、具体的な指示についての記載がある。人間ドックが特定健診を含む内容で行われることも多く、今後この値を参考に指導がなされることが多くなると思われる。た…

細菌感染症と検査所見

細菌感染とマクロファージ 細菌が体内に侵入すると、最初にマクロファージが反応し、細菌を貪食する。 活性化したマクロファージは、好中球遊走刺激因子とIL-6を産生する。IL-6は肝臓においてCRPの産生を促し、4-6時間でCRPの産生が開始され、8時間ごとに倍…

バロキサビルについて

バロキサビル(ゾフルーザ) 新規の抗インフルエンザ薬。宿主細胞のmRNAの前駆体とウイルスのRNP複合体が結合してウイルスmRNAを合成するポイントを阻害。このウイルスのRNP複合体は、インフルエンザ特有のものである。ウイルスゲノムのRNAの複製阻害には…

骨粗鬆症と動脈硬化の関連

骨の吸収によりカルシウムやリンの放出が増加すると、血中のリン負荷も増大する。リン放出はパルス状に変化するので血中へのリン負荷の影響は強く、骨代謝回転亢進と死亡率上昇の主因と考えれられている。 血中のリン増加によって、血管内皮障害が生じ、血管…

めまいの診断(開業医において)

現病歴とバイタルサインの異常(血圧、脈拍数など)で中枢性めまいのリスクを評価。主訴<めまい>患者への問診(1)「立って歩けますか。立った時、左右どちらか片方にふらついたりはしませんでしたか?」:これは体幹失調、脱力の評価が同時にでき、中枢性…

CTC(CT colonography)における評価

C-RADS (CTColonography Reporting And Data System) C1→フォロー間隔は5年間. C1であった患者で平均4.7年のフォロー期間で1例のみが大腸癌の診断を受け、粗発症率0.2/1000人・年であった. C2→フォロー間隔は3年間. C2病変と判断された93人の患者…

「ファンベース (ちくま新書)」を読んで

ファンベース (ちくま新書) 佐藤 尚之 著 経営についての指南書であるが、リーダーに求められる要件は何かということにも繋がるようにも感じられた。 客の20%がファン、その約20%がコアファン ストーリーを前面に出す 徹底的に人に役に立とうとする精…