保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

メタボリック症候群の指標

内臓脂肪の指標として現在使われているのは、BMIやウエスト径、ウエスト/ヒップ比。

 

これら以外に、ウエスト/身長比もよい指標であることが日本人を対象にした横断研究とコホート研究で示された。この研究においては男性の至適カットオフ値0.52、女性の至適カットオフ値0.53.

 

さらに前向き研究で確認する必要性あり。

 

 

ステロイド抵抗性喘息と診断する前に検討すべき事項


①吸入薬の使用量、デバイスの選択は適切か

②吸入に当たっての使用法(デバイスの誤動作)、服薬アドヒアランスの確認

 吸入療法では鼻から呼出

③増悪因子の確認と排除
・増悪させうる薬剤の服薬(NSAIDs、β遮断薬など)、
・喫煙(ステロイド感受性低下)

・ダニ・真菌(アスペルギルス、アルテルナリア、ペニシリウム、クラドスポリウム、カンジダ、トリコフィトン)・ペット(ネコ、ハムスター、ウサギ)などの感作アレルゲンの確認と排除
日本人の成人喘息の約半数がハウスダストやダニに感作。

④誘発因子の確認と排除:気道感染、過労、ストレスが3大誘因

強い臭気、笑い、大気汚染、天候など黄砂によって気管支喘息の約20%が悪化。

食事起因性運動誘発性アナフィラキシーの合併の確認。

心の健康問題で休業した人への対応で注意すべきこと

管理監督者から職場の人へ知らせる範囲と内容(健康上の問題について伝える、何も言わないなど)の希望を尊重する。

・職場の人から本人への連絡は必要最低限とし、見舞いなども避ける。
・気持ちが沈んでいる休業者が独居の場合、主治医の判断を確認し、実家や自宅に帰し
療養に専念させる。その際は実家や自宅の連絡先、家族内キーパーソンも確認。

・本人にとって休業中に事業場の人とコンタクトを取ることは、多少なりとも負担に
なる。事業場の人からむやみに連絡する、毎日調子を報告させる、職場の状況を事細かに知らせるようなことは控える。
・本人の落ち込みが激しく連絡を取るのが難しいときは、家族内キーパーソンと連絡。

 

以下の場合に、百日咳の検査を考慮

(1)百日咳に特徴的な症状を1つでも認める場合

(2)家族や周囲に百日咳の確定症例がいる場合

(3)咳嗽による睡眠障害を自覚している場合

(4)1週間以上の咳

 

咳出現から2週間は培養:培養法ではマクロライド耐性の有無をチェックできる

(23SリボゾームRNAの遺伝子変異A2047G)

乳児やワクチン接種者では4週以内までLAMP法

それ以外は3週以内までLAMP法と米国の推奨

 

検査会社にLAMP法で委託した場合は3日以内に検査結果がでる

 

IgMとIgA抗体検査はLAMP法が陰性だった場合、もしくは発症から4(3)週間を過ぎている場合に実施する。IgA抗体、IgM抗体の上昇は2-4週から。

抗PT-IgG抗体は若年者では抗体価が上昇しにくい。

 

 

ポリオワクチンについて

2型野生株ポリオは根絶され、3価OPVのなかの2型ウイルスの意義がなくなった

むしろ2型ポリオ株は有害

流行地においては、2型ポリオの弱毒株を除いた2価OPVを使用

日本のIPVは世界に先駆けてセービン株を採用

日本における問題点は、追加接種が任意接種となっていること

追加接種なしの4回接種では発症することが確認されている

高濃度乳房と検診

高濃度乳房が日本人に多いのは、乳腺組織が多いからではなく、脂肪組織が少ないから多いと考えられている。

そもそも高濃度乳房の厳密な定義はなく、おおざっぱなものである。
大胸筋の濃度よりも高い陰影を高濃度と判定したり、高濃度乳房か否かで判定に迷った場合、圧迫板で挟んだ厚みが3cm以上を高濃度乳房と判定すると観察者間一致率が高いとの説がある。今後はAIを用いた判定が実現される可能性が高い。

乳がん検診の目標を死亡率の低下とした場合、マンモグラフィー+超音波併用は、マンモグラフィー単独との比較において、死亡率減少効果は現在のところ示されていない。偽陽性という不利益は確実に増加する。

そのため、対策型検診においては現在のところ、マンモグラフィー+超音波併用の検診は推奨されていない。
しかし、不利益を享受できる対象者については、任意型検診を行なう意義はあると思われる。

サルコペニアに対する介入

食事については、蛋白摂取が基本である。腎障害があればその限りではない。健常高齢者でも最低でも1.0Kg/Kg/日、サルコペニアの基準を満たす場合には1.2g/Kg/日以上、できれば1.5g/Kg/日を目指す。BCAA、ロイシン強化アミノ酸製剤も有効である。アミノ酸製剤の投与は運動直後が好ましいとされる。

 

高齢者に対してビタミンD(800IU異常)を補充することは筋力増加につながる。日光曝露により皮膚においても合成されるため、外出も重要である。

ちなみに、日光のみでビタミンDを合成するのに必要な日光浴の時間は、12月においては筑波では快晴の正午に22分必要。

 

筋力・身体機能の向上と筋力の増加には、運動が必要である。タンパク質合成を直接促進させるレジスタンス運動と、歩行能力を向上させる有酸素運動を組み合わせることが望ましい。週2,3回程度の実施が勧められるが、日常生活の中にロコモーショントレーニング等の自重を使った簡易的なレジスタンス運動を取り入れてもよい。サルコペニアを呈する高齢者に対する3か月の介入では、運動+栄養群のみに足の筋量と歩行速度の改善が認められた。