保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

以下の場合に、百日咳の検査を考慮

(1)百日咳に特徴的な症状を1つでも認める場合

(2)家族や周囲に百日咳の確定症例がいる場合

(3)咳嗽による睡眠障害を自覚している場合

(4)1週間以上の咳

 

咳出現から2週間は培養:培養法ではマクロライド耐性の有無をチェックできる

(23SリボゾームRNAの遺伝子変異A2047G)

乳児やワクチン接種者では4週以内までLAMP法

それ以外は3週以内までLAMP法と米国の推奨

 

検査会社にLAMP法で委託した場合は3日以内に検査結果がでる

 

IgMとIgA抗体検査はLAMP法が陰性だった場合、もしくは発症から4(3)週間を過ぎている場合に実施する。IgA抗体、IgM抗体の上昇は2-4週から。

抗PT-IgG抗体は若年者では抗体価が上昇しにくい。

 

 

ポリオワクチンについて

2型野生株ポリオは根絶され、3価OPVのなかの2型ウイルスの意義がなくなった

むしろ2型ポリオ株は有害

流行地においては、2型ポリオの弱毒株を除いた2価OPVを使用

日本のIPVは世界に先駆けてセービン株を採用

日本における問題点は、追加接種が任意接種となっていること

追加接種なしの4回接種では発症することが確認されている

高濃度乳房と検診

高濃度乳房が日本人に多いのは、乳腺組織が多いからではなく、脂肪組織が少ないから多いと考えられている。

そもそも高濃度乳房の厳密な定義はなく、おおざっぱなものである。
大胸筋の濃度よりも高い陰影を高濃度と判定したり、高濃度乳房か否かで判定に迷った場合、圧迫板で挟んだ厚みが3cm以上を高濃度乳房と判定すると観察者間一致率が高いとの説がある。今後はAIを用いた判定が実現される可能性が高い。

乳がん検診の目標を死亡率の低下とした場合、マンモグラフィー+超音波併用は、マンモグラフィー単独との比較において、死亡率減少効果は現在のところ示されていない。偽陽性という不利益は確実に増加する。

そのため、対策型検診においては現在のところ、マンモグラフィー+超音波併用の検診は推奨されていない。
しかし、不利益を享受できる対象者については、任意型検診を行なう意義はあると思われる。

サルコペニアに対する介入

食事については、蛋白摂取が基本である。腎障害があればその限りではない。健常高齢者でも最低でも1.0Kg/Kg/日、サルコペニアの基準を満たす場合には1.2g/Kg/日以上、できれば1.5g/Kg/日を目指す。BCAA、ロイシン強化アミノ酸製剤も有効である。アミノ酸製剤の投与は運動直後が好ましいとされる。

 

高齢者に対してビタミンD(800IU異常)を補充することは筋力増加につながる。日光曝露により皮膚においても合成されるため、外出も重要である。

ちなみに、日光のみでビタミンDを合成するのに必要な日光浴の時間は、12月においては筑波では快晴の正午に22分必要。

 

筋力・身体機能の向上と筋力の増加には、運動が必要である。タンパク質合成を直接促進させるレジスタンス運動と、歩行能力を向上させる有酸素運動を組み合わせることが望ましい。週2,3回程度の実施が勧められるが、日常生活の中にロコモーショントレーニング等の自重を使った簡易的なレジスタンス運動を取り入れてもよい。サルコペニアを呈する高齢者に対する3か月の介入では、運動+栄養群のみに足の筋量と歩行速度の改善が認められた。

RA患者の呼吸器病変

 

①RAによる間質性肺病変:UIP, NSIP, DAD, OP

②気道病変:輪状披裂関節炎、気管支拡張症、濾胞性細気管支炎、閉塞性細気管支炎

③肺内結節病変:リウマチ結節、アミロイドーシス、肺癌、悪性リンパ腫

④胸膜病変:胸膜炎

⑤薬剤性:MTX、レフロノミド、生物学的製剤

感染症:一般細菌、抗酸菌、PCP

 

MTX肺炎の臨床像:頻度1-7%。MTX開始1年以内に多いが長期投与例にも発生。

MTX投与量と発症頻度の関連は不明。MTXに対する過敏反応。

臨床像:発熱、急性から亜急性の経過、低酸素血症、まだらな間質性陰影

鑑別:MTX肺炎、感染症、RA関連間質性肺炎、他の膠原病の併発(PM/DM)

   臨床症状、画像的にもPCPと鑑別が困難なことも。

治療:初期治療:入院下でMTX中止、抗菌薬投与(ST合剤含む)、PSL投与 

   β-D glucan、喀痰Grocott染色、喀痰PCR陽性などを参考に治療の適正化

 

PCP発症の危険因子:危険因子がある場合にはST合剤などを予防的に投与

           週6-8Tの少量投与でも予防の可能性あり

  ①65歳以上(HR3.77)②既存肺疾患あり(HR2.54) ③PSL≧6mg/d(HR 3.76)。

 

RA-ILD

予後不良因子:男性、喫煙、高齢、UIP型、広範囲肺病変、病理学的な線維化、%VC低値、活動性関節病変

 

RAにおける肺病変マネジメント

急性肺障害を見た時には、MTXやPCPなどを考慮してステロイドを早めに投与

Bio投与下のPCP発症率は0.1%であるが、致死率が高くPCP発症の予防を

IPは無症候性が多い。UIPの急性増悪は予後不良

IPの鑑別に、抗ARS抗体やANCAの測定も考慮

原因不明のCRP病変は、器質化肺炎の可能性も考慮

気道病変では複数回の抗酸菌の喀痰培養を

Bio投与下のRA患者出に呼吸器感染症は2-3%の頻度。高齢者、StageⅢ/Ⅳ、既存肺病変では呼吸器感染に注意。

身体機能障害が進展する前に加療

RAの治療としてステロイドを極力使用しない。短期間、低用量。

高齢糖尿病患者の血糖コントロールについて配慮すること

低血糖を防ぎながら、血糖の正常化を目指すことが目標

ただし、高齢者となると逆にどのくらいまで高血糖を許容するかも検討

この際に考慮すること

HbA1cが8.0%以上では認知症やうつ、転倒・骨折などが多い。

HbA1c8.5%以上で肺炎、尿路感染症などの感染症のリスクが高い

・HbA1c9%以上でHbA1c7~7.9%に比べHHSやDKAなどのリスクが2倍以上。

 

ILAEのてんかん分類(2017年)についての基本的な考え方

あらゆる発作は焦点起始発作(一側大脳半球内に始まる)と全般起始発作(両側半球に分布するネットワークに始まる)に分類される。起始に関して正しいと確信できなければ(確信度80%以上)、焦点不明に分類される。

 

焦点起始発作は、発作伝播経路によって臨床症状は容易に変化する。発作焦点の解剖学的基礎を想定できる起始症候で分類することとなった。従来の二次全般化発作という呼称は、両側化発作(bilateral)という呼び方に変化した。発作波の両側への波及や同期の様式は多様であり、一次的に出現する全般性発作と同じものかどうか不明であるためである。

 

全般性発作でも臨床的に左右非対称性な発作がありうる。焦点起始認識が不可能な急速な両側化発作がありうる。

 

意識については発作中に自己と周囲の状況を把握できているかどうかで判断する。この判定法によれば、後から本人に確認することが可能である。一部分でも意識の減衰や消失が認められれば、意識減損発作に分類され、全経過を通して認められなければ意識保持発作に分類される。