保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

サルコペニアに対する介入

食事については、蛋白摂取が基本である。腎障害があればその限りではない。健常高齢者でも最低でも1.0Kg/Kg/日、サルコペニアの基準を満たす場合には1.2g/Kg/日以上、できれば1.5g/Kg/日を目指す。BCAA、ロイシン強化アミノ酸製剤も有効である。アミノ酸製剤の投与は運動直後が好ましいとされる。

 

高齢者に対してビタミンD(800IU異常)を補充することは筋力増加につながる。日光曝露により皮膚においても合成されるため、外出も重要である。

ちなみに、日光のみでビタミンDを合成するのに必要な日光浴の時間は、12月においては筑波では快晴の正午に22分必要。

 

筋力・身体機能の向上と筋力の増加には、運動が必要である。タンパク質合成を直接促進させるレジスタンス運動と、歩行能力を向上させる有酸素運動を組み合わせることが望ましい。週2,3回程度の実施が勧められるが、日常生活の中にロコモーショントレーニング等の自重を使った簡易的なレジスタンス運動を取り入れてもよい。サルコペニアを呈する高齢者に対する3か月の介入では、運動+栄養群のみに足の筋量と歩行速度の改善が認められた。