保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

高濃度乳房と検診

高濃度乳房が日本人に多いのは、乳腺組織が多いからではなく、脂肪組織が少ないから多いと考えられている。

そもそも高濃度乳房の厳密な定義はなく、おおざっぱなものである。
大胸筋の濃度よりも高い陰影を高濃度と判定したり、高濃度乳房か否かで判定に迷った場合、圧迫板で挟んだ厚みが3cm以上を高濃度乳房と判定すると観察者間一致率が高いとの説がある。今後はAIを用いた判定が実現される可能性が高い。

乳がん検診の目標を死亡率の低下とした場合、マンモグラフィー+超音波併用は、マンモグラフィー単独との比較において、死亡率減少効果は現在のところ示されていない。偽陽性という不利益は確実に増加する。

そのため、対策型検診においては現在のところ、マンモグラフィー+超音波併用の検診は推奨されていない。
しかし、不利益を享受できる対象者については、任意型検診を行なう意義はあると思われる。