保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

ILAEのてんかん分類(2017年)についての基本的な考え方

あらゆる発作は焦点起始発作(一側大脳半球内に始まる)と全般起始発作(両側半球に分布するネットワークに始まる)に分類される。起始に関して正しいと確信できなければ(確信度80%以上)、焦点不明に分類される。

 

焦点起始発作は、発作伝播経路によって臨床症状は容易に変化する。発作焦点の解剖学的基礎を想定できる起始症候で分類することとなった。従来の二次全般化発作という呼称は、両側化発作(bilateral)という呼び方に変化した。発作波の両側への波及や同期の様式は多様であり、一次的に出現する全般性発作と同じものかどうか不明であるためである。

 

全般性発作でも臨床的に左右非対称性な発作がありうる。焦点起始認識が不可能な急速な両側化発作がありうる。

 

意識については発作中に自己と周囲の状況を把握できているかどうかで判断する。この判定法によれば、後から本人に確認することが可能である。一部分でも意識の減衰や消失が認められれば、意識減損発作に分類され、全経過を通して認められなければ意識保持発作に分類される。