保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

寄生虫疾患を疑ったときにおける糞便等の取り扱い

セロファンテープ法はここでは扱わない。

 

糞便は親指頭大の量を採取

排泄時に寄生虫が認められた場合、アルコール固定(ホルマリンはDNAを破壊)

塗沫法を少なくとも3回

・回虫卵、日本海裂頭条虫卵、アメーバ栄養型、ランブル鞭毛虫栄養型の検出

・採取後速やかに検査に供し、37度で観察(原虫が活動)

・原虫を疑っていればヨード染色


陰性であれば、集卵法(MGL法+ショ糖遠心沈殿浮遊法)

・MGL法:原虫のシスト、蠕虫卵の検出

・ショ糖遠心沈殿浮遊法:クリプトスポリジウムの検出


鈎虫や糞線虫の検出を目的として糞便を培養することがある

アメーバ赤痢については、DNA-PCR検査が登場(2018年保険適用外)