保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

認知症外来における診方

 

ChE阻害薬は、ADLを上げる薬剤という認識がよい。施設入所を約2年間遅延。

ADにおける障害の典型例は、遅延再生低下→見当識障害→注意力障害→言語障害

MMSEを施行し、見当識障害、注意力障害、行動障害(Planning障害、Doing障害)の領域と、問題となっている行動障害と関連を考察する。そのうえで、薬剤を選択するとよい。患者や家族にどのような点が改善するのかを伝える。

見当識障害:ガランタミン

注意力障害(数字の逆唱など):リバスチグミン

Planning障害:メマンチン

Doing障害:ドネぺジル

 

外来フォロー:治療の目標は、介護者が継続して介護できる状態を維持することで施設入所を遅らせること。

 

①患者本人が行きたいと思う楽しい外来診療を心がける。服装、化粧のこと、デイサービスのことなどを話題に組み込む。

②施設入所が必要となりそうなことを示唆する徴候を見逃さない。

ADLの確認:風呂に入れているか、服を着替えられるか、トイレで用を足せるか、食事をとれているか、眠れているか、の5項目 +家族(介護者)と仲良くしているかをチェックする。家族が介護している結果、状態が安定していることを評価する。家族との好ましい関係作りをするために患者に「ありがとうといいましょう」と促す。

ChE阻害薬を内服していても、入浴→保清→着衣の順に能力が落ちてくる。

 

以上、慶応大学神経内科 吉崎崇仁先生の講演会から