E型肝炎
E型肝炎ウイルスの遺伝子型
1型:アジア、アフリカ諸国。ヒトのみに感染。
2型:メキシコ、ナイジェリア、ナミビア。ヒトのみに感染。
3型:世界に広く分布。ヒト、豚、イノシシ、シカ、ウサギ等。
4型:日本、中国、台湾、ベトナムなど。ヒト、豚、シカ、イノシカ、ウサギ等。
1型と2型は人のみに感染。3型と4型は豚や猪などの動物を主たるリザーバ―とし、ヒトでも散発性E型肝炎の原因となっている。ヒト以外の動物でのHEV感染はは不顕性である。3型の劇症化率は0.9%、4型は9.3%と高い。
日本においては、イノシシ、シカ、豚などの生肉を摂取することによる急性E型肝炎が目立つが、感染源を特定できない症例が40%あまりある。
E型肝炎のほとんどは不顕性である。感染者の1%程度が肝炎を発症すると言われる。肝炎発症例での重症化・劇症化率はそれぞれ10%弱、数%と高い。ブタレバーや猪肉、シカ肉の生食や加熱不十分な状態での接触による感染が多くが、献血による感染もある。これに対して日赤は、献血製剤に対するE型肝炎ウイルスの核酸検査を準備している。
移植後肝炎の60%が慢性化すると言われている。免疫抑制状態においてはE型肝炎は慢性化しやすい。
E型肝炎に対する治療としてリバビリンがあるが、耐性を示す例も報告されている。