腎血管性高血圧症の検査と診断
診断には、MRアンギオグラフィーにて狭窄が75%以上のものを腎動脈狭窄とするのがよい。MRアンギオは基本的に造影剤は必要がないことがメリットで、狭窄を過剰に表現するデメリットでがあることに留意する。最終診断には、腎動脈造影や造影CTが必要となるが、腎機能障害例が多いため、行えないことも多い。形態だけではなく、カプトプリル負荷レノグラムで狭窄腎の機能も低下していることを確認して、初めて腎動脈狭窄による腎血管性高血圧と診断される。
この状態では、ANP(心房性利尿ペプチド)濃度も上昇するため、レニン活性上昇は抑えられ、PRAは正常から軽度上昇にとどまる。片側か両側かはアルドステロン上昇の程度に影響する。両側性のものは、ろ過量の減少による体液過剰があり、レニン・アルドステロンは上昇しないとされる。診断時に注意すべきことである。分腎レニンサンプリングは最近は行われない。
スクリーニング検査として腎血流ドプラが有用であるとする見解がある。
直接所見:下記を満たすとき、腎動脈狭窄度が60%以上とされる。
腎動脈本幹Peak Systolic Velocity>180cm/s *EDV>90cm/sを有意としてもよい。
かつ
RAR(腎動脈PSV/大動脈PSV)≧3.5 *大動脈の血流はSMA分岐の末梢側とする。