気管支喘息の診断に使われる指標について
日内変動
健常人においてもPEFは午前4-6時頃に最低値、午後4-6時頃最高値
PEFは、1日2-4回、少なくとも3日以上記録
PEF日内変動度は1日の最大値と最小値の差をPEFの平均値もしくは最大値で割る
PEF平均値を基準値とした場合:
平均日内変動度≧5%での感度56%、特異度69%
平均日内変動度≧15%での感度5%、特異度98%
PEF最高値を基準とした場合:
4日以上の記録で、>15%での感度20%、特異度97%
3日以上の記録で、>20%での感度12%、特異度99%
20%を閾値とすると特異度が高く確定診断に良いが、感度は低い
気道可逆性
FEV1改善率12%以上、かつFV1改善量≧200mであるとき、優位な気道可逆性あり気管支喘息においても必ずしも有意な可逆性を示すわけではないことに注意
気道過敏性
気道過敏性は重症度と相関
気流制限や気道可逆性が検出されない場合、気道過敏性は診断において必要だが、専門医療機関で行われることが多い
入院中に転倒して頭部を打撲した疑いがある場合、頭部CTを
日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)の発表
高齢者の転倒・転落による頭部打撲(疑い含む)では、明らかな異常がなくても、頭部CT撮影を推奨
但し、
打撲後、いつまでに頭部CTを撮影するべきかについて記載はない
頭部CTを撮影することで予後の改善があるかどうかの記載はない
この提言が、医療訴訟の上でどのように使われるのであろうか?
ステロイド抵抗性喘息と診断する前に検討すべき事項
①吸入薬の使用量、デバイスの選択は適切か
②吸入に当たっての使用法(デバイスの誤動作)、服薬アドヒアランスの確認
吸入療法では鼻から呼出
③増悪因子の確認と排除
・増悪させうる薬剤の服薬(NSAIDs、β遮断薬など)、
・喫煙(ステロイド感受性低下)
・ダニ・真菌(アスペルギルス、アルテルナリア、ペニシリウム、クラドスポリウム、カンジダ、トリコフィトン)・ペット(ネコ、ハムスター、ウサギ)などの感作アレルゲンの確認と排除
日本人の成人喘息の約半数がハウスダストやダニに感作。
④誘発因子の確認と排除:気道感染、過労、ストレスが3大誘因
強い臭気、笑い、大気汚染、天候など黄砂によって気管支喘息の約20%が悪化。
食事起因性運動誘発性アナフィラキシーの合併の確認。
心の健康問題で休業した人への対応で注意すべきこと
・ 管理監督者から職場の人へ知らせる範囲と内容(健康上の問題について伝える、何も言わないなど)の希望を尊重する。
・職場の人から本人への連絡は必要最低限とし、見舞いなども避ける。
・気持ちが沈んでいる休業者が独居の場合、主治医の判断を確認し、実家や自宅に帰し
療養に専念させる。その際は実家や自宅の連絡先、家族内キーパーソンも確認。
・本人にとって休業中に事業場の人とコンタクトを取ることは、多少なりとも負担に
なる。事業場の人からむやみに連絡する、毎日調子を報告させる、職場の状況を事細かに知らせるようなことは控える。
・本人の落ち込みが激しく連絡を取るのが難しいときは、家族内キーパーソンと連絡。
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以下の場合に、百日咳の検査を考慮
(1)百日咳に特徴的な症状を1つでも認める場合
(2)家族や周囲に百日咳の確定症例がいる場合
(3)咳嗽による睡眠障害を自覚している場合
(4)1週間以上の咳
咳出現から2週間は培養:培養法ではマクロライド耐性の有無をチェックできる
(23SリボゾームRNAの遺伝子変異A2047G)
乳児やワクチン接種者では4週以内までLAMP法
それ以外は3週以内までLAMP法と米国の推奨
検査会社にLAMP法で委託した場合は3日以内に検査結果がでる
IgMとIgA抗体検査はLAMP法が陰性だった場合、もしくは発症から4(3)週間を過ぎている場合に実施する。IgA抗体、IgM抗体の上昇は2-4週から。
抗PT-IgG抗体は若年者では抗体価が上昇しにくい。
ポリオワクチンについて
2型野生株ポリオは根絶され、3価OPVのなかの2型ウイルスの意義がなくなった
むしろ2型ポリオ株は有害
流行地においては、2型ポリオの弱毒株を除いた2価OPVを使用
日本のIPVは世界に先駆けてセービン株を採用
日本における問題点は、追加接種が任意接種となっていること
追加接種なしの4回接種では発症することが確認されている