保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

健診等で発見された胆嚢ポリープのフォローの仕方

胆嚢ポリープの手術適応は腫瘍性か否かの臨床判断に基づく。

広基性で大きさ10mm以上、充実エコーを呈する胆嚢ポリープを有する患者は、胆嚢摘出術を行うことが勧められる。10mm以下の隆起性病変でも、7.4%が腫瘍性であったことから6mm以上を外科切除の適応とするほうがよいという報告があり注意を要する。

 

健診等で発見されたポリープのフォローについて施設間の違いについて調べた。

 

【施設A】:5mm 以下の胆嚢ポリープは1年ごと、6~10mm の胆嚢ポリープは6カ月ごとの超音波検査でフォローアップ。

 

【施設B】病変が5mm以下であれば、6カ月後に再検する。5~10mmの場合は、胆嚢壁との付着様式が広基性の場合、および有茎性で茎の太く観察される場合は、より詳細な壁との付着形態の評価を要するため精査が必要である。自施設で可能な場合には単純CT、DynamicCTによる評価を行う。また、有茎性で茎が太くない場合は、3カ月後に再検する。限局型の胆嚢腺筋腫症かコレステロールポリープの所見が見られる時は6カ月後の再検でいい。

 

【施設C】広基性、10mm以上のものは腫瘍性を疑わせる所見である。初回発見の5mm未満のポリープは、6ヵ月毎超音波検査でフォローアップする。初回発見5mm以上10mm未満のものは、初回3ヵ月後の超音波検査、異常がなければ6ヵ月後との超音波フォロー。

 

【施設D】type A:肝実質様で肝実質と等エコー,type B:肝実質様で内部に小嚢胞様構造,type C:不均一で内部に高エコースポットとすると、胆嚢ポリープの診断精度を上げるためにはtype Aに注目すべきである。type B(小嚢胞様構造),type C(高エコー スポット)はコレステロールポリープと炎症性ポリープのみであり,経過観察でよい。