保坂内科消化器科のブログ

日々学んだことを備忘録として記します。

メタボリック症候群と身体活動

厚生労働省e‐ヘルスネットから

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise 参照

減量・内臓脂肪の観点から:

  • 個人にとって多くのエネルギー消費量を確保できる運動であれば、どのような方法でも良い。運動の種類には関係ない。
  • 臨床成績を総合すると、週当たり10メッツ・時以上の運動が有意に内臓脂肪量を減少させる。しかし、それ以下の運動量であっても内臓脂肪は減少する。

高血圧の観点から:

  • ややきつい中等度の強度の有酸素運動を、毎日定期的に30分以上行うことが一般的に勧められている。
  • また10分以上の運動であれば合計して1日30分以上としてもよい。
  • 複数の研究の結果、長期的な身体活動により高血圧患者では収縮期血圧を7.4mmHg、拡張期血圧を5.8mmHg低下させる効果がある。

脂質異常症の観点から

  • ややきつい中等度の強度の運動(最大酸素摂取量の約50%)を、できれば毎日、少なくとも週3日以上、運動量は30分以上行う。
  • 血中脂質レベルに好影響を与えるには数ヶ月以上が必要。
  • HDLコレステロール増加のためには、1週間に合計120分間または合計900Kcalを消費する身体活動が必要。

糖尿病の観点から

  • ややきつい中等度の運動(心拍数100-120回/分、最大酸素摂取量の40-60%)の有酸素運動を、できれば毎日、少なくとも週に3~5回、20~60分行うのが一般的。
  • 運動の開始初期には、エネルギー源として主に筋グリコーゲンが利用されるが、運動開始10分後以降では血中の糖、15分後以降では遊離脂肪酸も利用するため、1回の運動継続時間は20分以上が必要。
  • 運動後約12-72時間の間、糖の処理能力が高まるので、運動はできれば毎日、少なくとも1週間のうち3日以上行う。
  • 食後1時間後に行うと食後の高血糖状態が抑制されると考えられている。
  • 最近の研究では、1週間に合計150分以上の運動を行うと効果的といわれている。